昭和の半ばに板金工場としてスタートした当社は、鉄を加工し大手メーカーに納める小さな下請け板金工場でした。
まだ「もの」が豊富にない時代でしたが、常に技術向上に努め、人の役に立つものを作りたいという挑戦を続けてきました。
そうした思いがあり、鉄を加工する技術が身についてきたころ、商品づくりへのチャレンジが始まりました。
しかし、綿密な設計をせずに生産に入ってしまい納得のいくものができなかったりと、失敗の連続でした。製造現場においてもう一度初心に戻り商品設計の習得に力を注ぎ、実際に使って役立つ製品づくりとは何かを見直し、商品設計、生産の技術を磨いてきました。
素材とする「鉄」は、商品を生産する際の重要な素材ではありますが、冷たく無機質で、人の心を癒すという面では限界があります。直接触れて長く使っていく
中で、鉄以外の素材である木、樹脂、非鉄などの複合素材が欠かせないと気づいたのです。
人は、「木」のぬくもりに安心感を感じる部分が多いと言われています。身近なものだからこそ、心地よく使っていただきたいという想いから、鉄とは全く異なる素材である「木」を製品に取り入れていこうという研究開発が始まりました。
長い時間をかけて「木」を加工する技術を習得し、樹脂・非鉄に関しても理解を深めていきました。ここでようやく、鉄とそれ以外の素材を合わせた「複合
材料」を使用した商品を製造できるようになったのです。
複合材料を使った製品を製造できるようになったものの、それを1つの工場で作るには無理がありました。
その素材を専門に扱う工場では、素材に関する知識と技術を持っています。また、技術の向上を追求し、高度なノウハウをもって製品や部品が生産されています。素材に関して学んだとはいえ、専門の工場には敵いません。それぞれの素材を扱う工場は、日々深く技術を追求し続けているからです。
現在は、素材ごとに進んだ工場との連携により複合素材をそれぞれ高技術で作り上げる商品ができるようになりました。当社は、高技術を有する協力工場様により支えられているといっても決して過言ではありません。
当社は、その協力工場様のおかげで、より作りやすく、より安全な、ヒトに向き合った商品作りができるまでに発展してきました。 ここで満足せず、弛まぬ努力を以て、より高品質で使い心地の良い製品開発・生産にこだわり続けていきます。